L-FABPの有効性

【CKD】
巣状糸球体硬化症と微小糸球体変化の判別に

鑑別が困難な巣状糸球体硬化症と微小糸球体変化患者における
各種バイオマーカーの比較

(文献[1]内、Nakamura, T. et al., Clin Nephrol. 65(1), 2006.内Table1-2より抜粋)

DATA

方法
巣状糸球体硬化症(Focal glomerulosclerosis: FGS)患者17名(うち薬剤抵抗性8名、薬剤感受性9名*)、微小糸球体変化(Minimal change nephrotic syndrome: MCNS)患者24名(うちネフローゼ期14名、寛解期10名)の尿中L-FABP、尿蛋白、BUN、クレアチニンクリアランス(CCr)について比較した。
*6か月間のプレドニゾロン投与により治療効果がみられなかった患者を薬剤抵抗性、治療効果がみられた患者を薬剤感受性と判断した。
結果考察
尿中L-FABPはMCNS患者と比較してFGS患者で有意に増加し、さらに薬剤抵抗性FGS患者の尿中L-FABPは薬剤感受性FGS患者よりも有意に高値を示した。尿蛋白、BUN、CCrのいずれもFGS患者とMCNS患者の間に有意な差はみられなかった。尿中L-FABPを測定することで、鑑別が困難なFGS、MCNSを判別することができる。

薬剤抵抗性FGS患者におけるLDLアフェレシス療法による
各種バイオマーカーの変化

(文献[1]、Nakamura, T. et al., Clin Nephrol. 65(1), 2006.内Table4より抜粋)

DATA

方 法
薬剤抵抗性FGS患者8名に対して、FGSの増悪因子の1つである血中LDLコレステロールを取り除くLDLアフェレシス療法を実施し、その前後の尿中L-FABP 、尿蛋白、BUN、クレアチニンクリアランス(CCr)について比較した。
結果考察
LDLアフェレシス療法により尿中L-FABP、尿蛋白は有意に減少し、CCrは有意に増加した。LDLアフェレシス療法は薬剤抵抗性FGS患者の尿細管間質障害を改善し、尿中L-FABPはその改善効果の指標として有用であることが明らかとなった。

参考文献

  • [1] Nakamura, T. et al., Urinary liver-type fatty acid-binding protein levels for differential diagnosis of idiopathic focal glomerulosclerosis and minor glomerular abnormalities and effect of low-density lipoprotein apheresis. Clin Nephrol. 65(1), 2006.PubMed

保険算定上の主な対象と有用性

『中医協 総会(第194回)議事次第 臨床検査の保険適用について』
より引用

測定内容 尿中L-FABPの測定(尿細管機能障害を伴う腎疾患の診断の補助)
主な対象 eGFR≧60の継続的に治療を受けている糖尿病患者、糸球体腎炎などの慢性腎臓病が疑われる患者
有用性 腎機能が低下する以前の糖尿病患者に対して、本検査を行うことにより糖尿病性腎症の病気進行リスクを判別し、また治療効果の判定にも使用できる可能性がある
留意事項 ・原則として3カ月に1回の測定
・レセプト必須記載項目
「尿細管機能障害の疑い」もしくは「尿細管機能障害を伴う腎疾患診断の補助」と診療報酬明細書の摘要欄へご記入下さい

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