L-FABPの有効性

【CKD】
糖尿病性腎症進行リスクの早期判別に

糖尿病患者における尿中L-FABPの臨床的意義:

1型糖尿病患者を対象とした臨床研究では、尿中L-FABPは健常者と比較して、正常アルブミン尿期、微量アルブミン尿期、顕性アルブミン尿期と病期の重症度に従って増加し、尿中アルブミンとの相関性もみられた。
また、治療薬の1種であるACE阻害薬により尿中L-FABPは低下することが明らかとなった[1]

正常アルブミン尿期の患者における糖尿病性腎症が進行した割合:

Nielsen SE., et al., Diabetes Care. 33:1320-1324,2010.内Fig.2より一部改変[2]

DATA

方法
正常アルブミン尿期の1型糖尿病患者165例の尿中L-FABPを値により層別して、追跡調査期間中(中央値18年)の腎症進行率を示した。
結果考察
正常アルブミン尿期の1型糖尿病患者において、微量アルブミン尿の出現より早期に尿中L-FABPが有意に上昇することが確認され、尿中L-FABP値が高いほど腎症の進行率は増加した。尿中L-FABPを測定することで、より腎症進行リスクの高い患者が判別できる。

尿中アルブミンが異常値を示した患者における
糖尿病性腎症が進行した割合


シミックホールディングス(株)社内データ

DATA

方 法
2型糖尿病患者104例に対し、4年間追跡調査を行い、腎症の進行の有無について確認した。
※腎症の進行とは尿中アルブミンの増加、末期腎不全への移行、および血液透析の導入を意味する。
結果考察
尿中アルブミンが異常値であり、かつ尿中L-FABPが高値である患者のうち70%は糖尿病性腎症が進行した。尿中アルブミンと尿中L-FABPを同時に測定する事で、より腎症進行リスクの高い患者が判別できる。

保険算定上の主な対象と有用性

『中医協 総会(第194回)議事次第 臨床検査の保険適用について』
より引用

測定内容 尿中L-FABPの測定(尿細管機能障害を伴う腎疾患の診断の補助)
主な対象 eGFR≧60の継続的に治療を受けている糖尿病患者、糸球体腎炎などの慢性腎臓病が疑われる患者
有用性 腎機能が低下する以前の糖尿病患者に対して、本検査を行うことにより糖尿病性腎症の病気進行リスクを判別し、また治療効果の判定にも使用できる可能性がある
留意事項 ・原則として3カ月に1回の測定
・レセプト必須記載項目
「尿細管機能障害の疑い」もしくは「尿細管機能障害を伴う腎疾患診断の補助」と診療報酬明細書の摘要欄へご記入下さい

参考文献

  • [1] Nielsen, S.E. et al., Tubular and glomerular injury in diabetes and the impact of ACE inhibition. Diabetes Care. 32(9): 1684-1688, 2009. PubMed
  • [2] Nielsen, S.E. et al., Urinary liver-type fatty acid-binding protein predicts progression to nephropathy in type 1 diabetic patients. Diabetes Care. 33(6): 1320-1324, 2010. PubMed
  • [3] Nielsen, S.E. et al., Urinary liver-type fatty acid-binding protein predicts progression to nephropathy in type 1 diabetic patients. Diabetes Care. 33(6): 1320-1324, 2010. PubMed
  • [4] Kamijo-Ikemori, A. et al., Clinical significance of urinary liver-type fatty acid-binding protein in diabetic nephropathy of type 2 diabetic patients. Diabetes Care. 34(3): 691-696, 2011. PubMed

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