L-FABPの有効性

【AKI】心血管手術後での発症予測に

心血管手術前後の各種バイオマーカー比較


Matsui, K. et al., Circulation Journal. 76: 213-220, 2012より抜粋
*P<0.05、同時期の非AKI群との比較
+P<0.05、術前の同一群との比較

方法:

心血管手術を受けた成人85例に対し、術前・術後、経時的に血清クレアチニン、尿中L-FABP、NGAL、NAGを測定した。上記症例をAKIN criteriaにてAKI群、非AKI群に分け、各マーカーの測定値について解析を行った。

結果考察:

AKI群の尿中L-FABPは術直後、術後3時間の値が術前と比較して有意に上昇した。 また、A K I 群と非A K I 群の術前の尿中L-FABPを比較するとAKI群が有意に高値を示す。 心血管手術の術前・術後において他のマーカーと比べL-FABPは早期にAKIの発症リスクを判別する事ができる。


造影剤腎症の発症予測に

造影剤腎症を発症した症例のL-FABPの変動

造影剤腎症を発症した症例のL-FABPの変動
Nakamura T,et al.Am J Kidney DIs 47(3):439-444,2006

◆造影剤投与前から尿中L-FABP値が高い患者では造影剤腎症を発症しやすい。
◆造影剤腎症を発症した患者では24時間後の尿中L-FABP値が有意に上昇した。

DATA

対 象
心臓カテーテルを受けた成人 66例
方 法
冠動脈造影前後の尿中L-FABP値を比較した。
(AKI患者、末期腎不全患者などを除く)

半定量スコアはELISA定量値を精度よく反映

※:スコア一致率≧90%

半定量スコアはELISA定量値を精度よく反映

◆迅速に測定可能であることから、急性腎障害が確立されていない、敗血症または多臓器不全等の患者に対し、治療転機を含めた重症化リスクを判別することができ、血液浄化療法などの適応判断に利用可能性がある。

DATA

対 象
CKD外来患者 106例、ICU入院患者 29例
方 法
上記症例に対し、尿中L-FABPの半定量スコアを判定。また、尿中L-FABPを測定した。その結果、尿中L-FABP値はスコアに応じ有意な増加を示した。

保険算定上の主な対象と有用性

『中医協 総会(第194回)議事次第 臨床検査の保険適用について』
より引用

測定内容 尿中L-FABPの測定(尿細管機能障害を伴う腎疾患の診断の補助)
主な対象 急性腎障害が確立されていない、薬剤性腎障害、敗血症または多臓器不全等の患者
有用性 急性腎障害が確立されていない、敗血症または多臓器不全等の患者に対し、治療転機を含めた重症化リスクを判別することで、血液浄化療法などの適応判断に利用可能性がある。
留意事項 原則として3カ月に1回限りの算定であるが、医学的な必要からそれ以上算定する場合
「(造影剤投与前後の)尿細管障害を連続してモニタリングする必要があるため」
「急性腎障害の重症化リスクの判定」など詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄へご記入下さい。

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