L-FABPの有効性

【AKI】敗血症患者の重症度、治療効果の判定に

Key word:敗血症、POC(Point Of Care)

敗血症患者のPMX療法における尿中L-FABPと血中乳酸の挙動と予後



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(文献[1]内、Sato, E. et al., Renal Replacement Therapy. 3(26), 2017.内Fig.8より一部改変)

方法:

(a) 腸腰筋膿瘍による敗血症性ショックを発症した93歳女性に対し、PMX療法を2回実施した。
(b) 急性閉塞性化膿性胆道炎による敗血症性ショックを発症した75歳女性にPMX療法を1回実施した。

結果 考察:

PMX療法により尿中L-FABP、乳酸が低下した敗血症患者の予後は良く後日退院(a)、PMX療法により尿中L-FABP、乳酸が低下しなかった敗血症患者は3日後に死亡した(b)。
敗血症患者の尿中L-FABPを測定することで、敗血症の重症度、治療効果の判定に有用である可能性が示唆された。

敗血症は現在、「感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされる状態」と定義され、急性腎障害を含む多臓器不全を生じることから、敗血症の重症例では高い死亡率を示す。臓器障害の指標としてSOFA(sequential (sepsis-related) organ failure assessment)、qSOFA(quick SOFA)、敗血症の診断マーカーとしてC反応性蛋白(CRP)やプロカルシトニン(PCT)、プレセプシン(P-SEP)、インターロイキン-6(IL-6)が報告されているが、日本版敗血症診療ガイドライン2016において、ICUなどの重症患者において敗血症が疑われる場合に感染症診断の補助検査としてP-SEPまたはPCTを評価することが弱く推奨されるに留まっている[2]。そのため、より早く正確で簡易に敗血症の重症度を特定し、適切な治療を実施するための新たな診断マーカーが求められている。
これまで様々な臨床研究で、敗血症患者における尿中L-FABPの増加、治療による尿中L-FABPの改善が報告されている[1,3-5]

中央社会保険医療協議会(中医協)資料中にも、「AKIが確立されていない、薬剤性腎障害、敗血症または多臓器不全等の患者を対象として、治療転帰を含めた重症化リスクを判別する」という尿中L-FABPの有用性が記載されている。

参考文献

  • [1] Sato, E. et al., Urinary excretion of liver-type fatty acid-binding protein reflects the severity of sepsis. Renal Replacement Therapy. 3(26), 2017. https://rrtjournal.biomedcentral.com/articles/10.1186/s41100-017-0107-x
  • [2] 日本版敗血症診療ガイドライン2016 (J-SSCG2016) http://www.jaam.jp/html/info/2017/pdf/J-SSCG2016_honpen.pdf
  • [3] Sato, R., et al., A newly developed kit for the measurement of urinary liver-type fatty acid-binding protein as a biomarker for acute kidney injury in patients with critical care. J Infect Chemother. 21(3):165-169, 2015. PubMed
  • [4] Doi, K., et al., Urinary L-type fatty acid-binding protein as a new biomarker of sepsis complicated with acute kidney injury. Crit Care Med. 38(10):2037-2042, 2010. PubMed
  • [5] Yoshimatsu, S., et al., Urinary L-FABP as a mortality predictor in <5-year-old children with sepsis in Bangladesh. Pediatr Int. 58(3):185-191, 2016. PubMed

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