L-FABPの有効性

糖尿病性腎症の病期進行や治療効果の判定に

Key word:糖尿病性腎症(diabetic nephropathy)

尿中L-FABPの臨床的意義:

糖尿病性腎症に関しては、デンマークのSteno糖尿病センターにおける1型糖尿病の断面解析の結果、微量アルブミン出現より早期に尿中L-FABPが有意に上昇することが確認された。

さらに、発症から約30年にわたる予後観察を実施した患者を対象に、腎症進行以前における尿中L-FABPの予後診断性能が検証されたところ、驚くべきことに、例え腎症早期であっても尿中L-FABP高値の患者群は、20年以上フォロー期間中の微量アルブミンの出現のみならず死亡リスクについても、有意に高値であることが明らかとなった。

また、日本においても外来通院中の2型糖尿病患者を対象とした4年間の前向き臨床試験では、試験開始時CKD1期または2期であった患者のうち、尿中L-FABPが正常上限をカットオフとした場合の陽性患者は、微量アルブミン陽性患者に比して、その後の4年間の糖尿病性腎症の病期進行リスクが有意に高いことが明らかとなった。

A 尿中L-FABP値ごとの糖尿病腎症の進行曲線
 (カプランマイアー曲線)

1型糖尿病、2型糖尿病を対象にした糖尿病性腎症における臨床研究では、糖尿病の病期進行に伴い尿中L-FABPは増加し、さらに尿中微量アルブミンが認められていない腎症前期において尿中L-FABPは健常コントロールに比べ有意に高値であった[1],[2]
さらに、1型糖尿病で腎症前期の患者(n=165)を対象にした縦断研究では、尿中L-FABP高値群では低値群に比べ有意に早期腎症の進行が認められた(右図)[3]
また、2型糖尿病による腎症の進行危険因子として尿中L-FABPが重要であることを見出している[4]


1型糖尿病の腎症前期の患者のうち、尿中L-FABPが高値の患者では、有意に早期腎症の進展が認められる[3]

参考文献

  • [1] Nakamura, T. et al., Effect of Pitavastatin on Urinary Liver-Type Fatty Acid–Binding Protein Levels in Patients With Early Diabetic Nephropathy. Diabetes Care. 28(11): 2728-2732, 2005. PubMed
  • [2] Nielsen, S.E. et al., Tubular and glomerular injury in diabetes and the impact of ACE inhibition. Diabetes Care. 32(9): 1684-1688, 2009. PubMed
  • [3] Nielsen, S.E. et al., Urinary liver-type fatty acid-binding protein predicts progression to nephropathy in type 1 diabetic patients. Diabetes Care. 33(6): 1320-1324, 2010. PubMed
  • [4] Kamijo-Ikemori, A. et al., Clinical significance of urinary liver-type fatty acid-binding protein in diabetic nephropathy of type 2 diabetic patients. Diabetes Care. 34(3): 691-696, 2011. PubMed

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